目次
子どもの進路に、親はどう関わるべき?
「子どもの進路、親が決めていいのだろうか?」
「どこまで関与すれば、後悔しないんだろう?」
これは多くの親が一度は悩むテーマです。
私自身、子育ての中で、子どもの進路について何度も立ち止まりました。
「本人の意思を尊重したい。でも将来が心配」
「好きな道を応援したい。でも食べていけるかも気になる」
親心とは本当に複雑です。
私は、“将来的に困らない道をそっと教える”というスタンスをとってきました。
直接的に「これにしなさい」と言うことはありません。でも、**選択肢を“さりげなく置いておく”**ことで、自然と気づいてもらえるような関わり方をしてきました。
やりたいことが「ない」or「決められない」時、親はどうする?
我が家の子ども達は、二人とも漠然とした将来の夢をもっていましたが、それが叶うような学力も才能もあったかと言えば疑問です。
本人たちが希望しているような学校に入れる成績ではありませんでした。
「このまま、入れる大学に取り合えず進学して大丈夫かな」
「将来の仕事って、本気でイメージできてるのかな」
そんな不安が、親として何度も胸をよぎりました。
ただ、本人が決められないからと言って、代わりに親が決めてしまうのは違う。
でも、“選択肢が見えていないだけ”なら、それをそっと照らすことはできるかもしれない。
そう思って、私は一つの方針を持つようになりました。
進路に「口出しはしない」でも「情報は渡す」
私が心がけたのは、「進路は子どもが決める。でも親はヒントを出す」という姿勢です。
- 「こういう仕事って、これからも需要があるらしいよ」
- 「手に職があると、どんな地域でも働けるよね」
- 「資格があると、子育て後にも再就職しやすいんだって」
こうした“社会で生きていく知恵”を、雑談の中でポロッと話す。
テレビやニュースの話題を使って「一緒に考える」空気をつくる。
あくまで押しつけではなく、ヒントとして。
そうすることで、子ども自身が「自分で気づいて、調べて、決めた」と思える環境を作ることができました。

「自分で決める」を支える“地図の渡し方”
親として進路に関わるときに、私は「地図」を渡すイメージで接しています。
つまり、「行くべき道を一本に決めて示す」のではなく、
「いくつかの可能性と情報を並べて、その中から選ばせる」。
たとえば、
- 文系・理系の違い
- 国家資格と民間資格の将来性
- 就職に強い学部・弱い学部
- 手に職がある人の生き方
- 一人暮らしにかかる費用
家庭の会話の中で、できるだけ「自然に」「さりげなく」伝えるようにしました。
我が家はとにかく会話が多い家族です。良いことはもちろんですが、悪いことはすぐに話すよう、小さいころから育ててきたつもりです。
進路では、言い争うこともありましたが、話ができるという環境は子も親も良かったと感じます。

自分で決めた道なら、責任も努力も本人のものになる
進路を“親が決めてしまう”と、上手くいかなかったときに「親のせい」と言われる可能性があります。
逆に、「好きにしなさい」と完全に放任してしまうと、子どもは情報不足のまま不安定な選択をすることも。
だからこそ、「自分で決めた」と本人が思えることはとても大切です。
私の子どもは、結果として資格の取れる、手に職をつける道を選びました。
特別に親が勧めたわけではなく、自分で選んだように見えるけれど――
私は“そこに向かうヒント”を、小さく、小さく、散りばめてきたつもりです。
親が口出しを我慢するのは、意外としんどい
正直に言うと、口出ししたくなる瞬間は何度もありました。
「なんでそんな曖昧な選択肢を…?」
「そこ、就職厳しいって聞いたよ…?」
「もっとこっちの方がいいのに…!」
でも、そこでガッツリ言ってしまったら、きっと子どもの心は離れていったと思います。
私は何度も言葉を飲み込みました。
そのかわり、子どもが迷ったとき、困ったときに“寄れる場所”であり続けることに徹しました。
親の役目は、道を決めることではなく、選べるようにすること
今振り返って思うのは、親が関わりすぎて、“主役”になってはいけないということです。
親ができるのは、
- 情報を渡すこと
- 現実を見せること
- 小さなヒントを置いておくこと
- どんな選択肢でも「応援してるよ」と言えること
そして一番大事なのは、「あなたの人生を、信じて見守ってるよ」という姿勢を見せることだと感じています。
まとめ:口を出さずに、心を添える進路サポートを
子どもの進路に親がどこまで関わるべきか。
その答えに正解はありません。
ただ、私が経験を通してたどり着いたのは、
💡口出しはしないけれど、情報は収集して、さり気なく渡す |
💡道を決めるのではなく、大まかな地図を渡す |
💡直接は導かないが、そっとヒントを置く |
そんな関わり方が、子ども自身の人生を支える“ちょうどいい距離感”だったということです。
進路に迷う子どもを前に、親として不安になるのは当然です。
でも、その不安は「導く力」にも変わります。
子どもが自分で選び、歩み出すそのときを、
少し離れた場所から、心で支えていきたい――
そんな親でありたいと、私は思って子育てをしてきました。
どんな進路になっても、正解はありません。道は一本ではないのですから、迷ったら軌道修正すればいいのです。「自分が決めた事を正解に!」 いつもの言葉で締めくくります。
