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「また私に回ってきた…」と感じるあなたへ
「◯◯さんならやってくれると思って」
「悪いんだけど、これもお願いできる?」
そんなふうに何かと頼まれることが続いてくると、
最初は嬉しかったはずのその言葉も、だんだんとプレッシャーになっていきませんか?
一度断ったら嫌われるかもしれない、冷たい人と思われるかもしれない。
そう思って笑顔で引き受けていたら、いつの間にか“便利屋”扱いになっていた――
かつての私も、まさにそうでした。
でも、少しずつ考え方と行動を変えていくことで、心が軽くなり、人間関係にも変化が出てきたんです。
今回は、“頼られすぎてしんどい人”が、自分を守るためのヒントをお届けします。
頼られる=評価ではない?
「あなたにしか頼めないのよ」
「いつも助けてもらってる」
そんなふうに言われると、自分が必要とされている気がして、悪い気はしないですよね。
実際、「頼られる=信頼されている証拠」だと思って、無理をしてでも引き受けてしまう人は多いと思います。
でも、それが感謝もされず当然のようになってしまったら?
あるいは、ミスした他人の尻拭いばかりが自分に回ってくるようになったら?
それはもう、「信頼」ではなく「都合のいい人」として扱われているサインかもしれません。
どうして頼られすぎてしまうのか?
① 頼みやすい雰囲気である
- いつも笑顔で「いいですよ」と答えている
- 断っている姿を周囲に見せたことがない
- 愚痴を言わず、淡々と、そして正確に仕事をこなしている
頼まれる人は無意識のうちに「私は断りませんよ」というメッセージを出しているんですよね。
実際、人は「断りそうな人」よりも「断らなそうな人」に頼みごとをします。
これは心理学でもよく知られている現象です。
特に職場では、「気の強い人は避けて、優しそうな人にお願いする」というバイアスが働きがち。
だからこそ、断らない人にどんどん依頼が集中してしまうのです。
② 他の人が断るから、自分に回ってくる
「あの人は面倒くさいからやめとこう」
「この人なら何も言わずに引き受けてくれるだろう」
そんなふうに、周囲が“自分より断らなさそうな人”にタスクを回すことで、気づけば自分ばかりに仕事が集中していた…というケースもあります。
でも、それって本来はリーダーや管理職が調整すべき問題なんですよね。
放っておくと「この人にお願いすればOK」という空気が固定化されて、いつまでも負担が減らない悪循環になります。
上司も、わかっていながら安心感のある人にお願いしてしまうのは事実です。

頼られすぎないための対処法
① “やる範囲”を明確にする
一番大切なのは、自分の限界を自分が知っておくこと。
そして、それを適切に「言葉にして伝えること」です。
たとえばこんな言い方があります。
「申し訳ないのですが、今ほかの業務で手がいっぱいなので、今回は難しいです」
「ご期待に添いたいのですが、今は対応できる時間がありません」
「期日は、○○日なら可能ですが、よろしいでしょうか」
最初は勇気がいりますが、一度しっかり線を引くと、驚くほど相手の態度が変わることもあります。
断ったからといって、嫌われるとは限りません。
むしろ「この人には、無制限にお願いしてはいけないんだ」と相手に伝えることができるのです。
② 「考える時間をください」と保留する
頼まれると、ついその場で「いいですよ」と即答してしまいがち。
でも、自分の心を守るためには、「いったん持ち帰る」ことも必要です。
「今すぐのお返事が難しいので、15時までにお返事してもいいですか?」
「一度確認してからお返事させてください」
そう言うだけで、心に少し“余白”ができます。
即答するクセのある人ほど、この“間を取る習慣”が効果的です。
その間に「本当に自分がやるべきかどうか?」を考えることができるからです。
頼られすぎないことは、冷たいことじゃない
優しさって、自分をすり減らすことではありません。
「やってあげることで、自分が苦しくなるなら、それは優しさじゃない」
私はこの言葉に出会って、考え方が変わりました。
たとえば、笑顔で頼みを受けたあとに、心の中でイライラしていたり、
夜中に家で「また私ばっかり…」と涙が出そうになっているなら、それはもう、あなたのキャパを超えているサインかもしれません。
優しさとは、「自分も大切にしながら、相手に向き合うこと」。
まずは自分を守ることを、優先してもいいのです。
おわりに:「自分を犠牲にしない働き方」もある
頼られることは、確かに誇らしいこと。
でも、“自分を大切にすること”は、それ以上に大切なことです。
もしあなたが、毎日誰かのフォローで疲れ果てているなら、
ほんの少しだけでも「NO」と言える自分になってみてください。
まずは、1つ断る勇気。
もしくは、返事を保留する一歩。
それだけでも、自分を大事にする一歩になります。
そして何より、「私だけが頑張らなきゃいけないわけじゃない」と思えるようになったとき、
あなたの働き方は、もっとラクに、もっと心地よくなるはずです。
