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子どもが中学生の頃だったと思います。いつものように子どもを送り出して、急いで自分の支度をしていた朝、、、。
鏡の前で化粧をしていたとき、不意に涙がぽろっとこぼれました。あとからあとから涙があふれてきて、どうしたらいいのかわからなくなった事がありました。
理由なんて、正直わからなかった。
仕事で、特別嫌なことがあったわけでもない。
家庭でも、大きなトラブルがあったわけでもない。でも、将来への漠然とした不安で、怖くて仕方ない感情。
身体の奥からじわじわと、「もう無理かも」という声が聞こえた気がしました。
あの日から、私は「心が悲鳴を上げる」ことをようやく知ったのです。
なぜだか、涙が止まらない日がある
朝、目が覚めても、なかなかベッドから出ることができない。
職場に向かう車の中で、突然涙がこみあげる。
帰宅しても何も手につかず、やる気が起きなくて、家族の声が遠く聞こえる。
そんな経験、ありませんか?
働く女性の多くが、頑張りすぎて“限界ライン”を超えてしまう瞬間を経験しています。
仕事・家庭・育児・介護…。毎日、誰かのために自分を後回しにしてきた結果、心が「もう無理だよ」とサインを送ってきたのかもしれません。
***こんな経験もありました***

ストレスが蓄積すると、なぜ“無気力”や“涙”が出てしまうのか?
人間の心と身体は密接に関係しています。
特に女性は、ホルモンバランスや環境の変化に影響を受けやすく、強いストレスが一定期間続くと、次のような症状が現れます。
症状 | 原因・背景 |
---|---|
突然涙が出る | 自律神経の乱れ、感情のコントロール機能が疲弊 |
朝起きられない | 睡眠の質の低下、うつの初期症状 |
常に不安感がある | コルチゾール(ストレスホルモン)過剰分泌 |
無気力になる | 過緊張による脳のエネルギー枯渇 |
「気持ちの問題」ではなく、れっきとした心身の不調です。
誰にでも起こりうること。無理に“元気な自分”を演じる必要はありません。
同じように悩んでいる人は、実はたくさんいる
厚生労働省が公表した「労働者のメンタルヘルスに関する調査」では、女性の約6割が「強い不安・悩み・ストレスがある」と回答しています。
また、その中で特に多かった悩みの内訳は以下のとおりです。
ストレスの原因 | 女性(複数回答可) |
---|---|
仕事の質・量の問題 | 61.7% |
対人関係(上司・同僚) | 56.3% |
家庭との両立の難しさ | 40.8% |
健康問題 | 31.5% |
つまり、「自分だけじゃない」と思うことも、心の回復にはとても大切です。
他人と比べて自分を責めてしまう人ほど、知らず知らずのうちに心をすり減らしてしまいます。
***ストレスがこんな形で現れることも⁉***

症状を改善するためにできること【3つのステップ】
① まず「自分を責めない」と決める
感情が落ち着かない自分を責めたり、「情けない」と思う必要はありません。
むしろ、自分の心と身体に気づけたことは“立派な第一歩”です。
「自分を大切にする」視点を取り戻すことが、回復のスタートになります。
② 「話す・書く・離れる」でガス抜きする
- 家族や信頼できる人に話す
- 日記やメモに書き出す
- スマホやSNSから少し離れる
感情を外に出すことで、頭の中のモヤモヤを少しずつ整理することができます。
カフェで一人になるのもよし、自然の中を散歩するのも効果的です。
何より、家族や心許せる友人に、気持ちを吐き出すことで、少しずつ整理できるようになります。
③ 専門機関や制度をためらわず使う
- 産業医やメンタルヘルス相談窓口を利用する
- 医療機関を受診する(心療内科、婦人科など)
- 必要であれば休職する
「そこまでじゃない」と我慢しがちですが、“早めの手当て”が重症化を防ぎます。
一度立ち止まって、じっくり心のエネルギーを回復させましょう。
「会社を休んでしまった…」その後、どうやって立ち直る?
休職や欠勤後の復職が不安なとき
実際に私の友人も、「突然出勤できなくなってしまった」経験がありました。
大切な友人ですので、とにかく時間を作って話を聞きました。何も解決策はありませんでしたが、とにかく聞き役に徹したことで、彼女も少しずつ穏やかな気持ちになれたと話してくれました。
復職への不安は大きかったものの、以下のプロセスで徐々に回復しました。
回復ステップ | 内容 |
---|---|
1. とにかく寝る | 睡眠を最優先。何もしない日を許す |
2. 好きなことを思い出す | 本・音楽・散歩など小さな楽しみを少しずつ |
3. 社会とゆるく繋がる | 親しい人とLINE、短時間の外出などからスタート |
4. 復職前に準備する | 医師と相談しながらリハビリ出社や短時間勤務で慣らす |
5. 働き方を見直す | 配置変更・業務量調整・働き方の工夫なども含めて再構築 |
大切なのは、「戻る」ではなく、「新しく始める」という視点。
以前の自分に戻る必要はありません。今の自分に合った働き方を作っていくことが、長い目で見た回復につながります。
「頑張り屋さん」であることが、時には自分を追い詰める
働く女性は、責任感も強く、まわりの期待にも応えようとしがちです。
だからこそ、“一見元気”に見えて、内側で限界を感じている人も少なくありません。
あなたが今日、涙を流したのなら、それは「もう少し立ち止まっていいよ」という体と心からのメッセージ。
無理をやめた瞬間から、回復への道は始まります。
最後に:あなたの不調は、あなたのせいじゃない
働きながら、家庭も守り、笑顔でいようとするその姿は、本当に立派です。
でも、調子が悪い日があって当たり前。休んでもいい、泣いてもいい。
「あなたが笑っていられること」が、何より大切なのです。
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