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ワーママのみなさんで、経理部門を担当している方もいらっしゃることでしょう。会社のお金の流れを支える皆さんの仕事は、まさに会社の金庫番です。でも、「経理=忙しい」というイメージ、ありますよね?実は、経理の仕事にはハッキリとした「メリハリ」があるんです。
私はなかなか休みを消化できない時期もありますので、閑散期にまとまった休みを取って、旅行や家でゆっくりなど、工夫をしています。
この記事では、経理業務の1年間のサイクルを分かりやすく解説!どうしようもなく忙しい「繁忙期」をどう乗り越え、比較的落ち着いている「閑散期」にどんな準備やスキルアップができるか、具体的なアイデアをご紹介します!
📊 経理業務の年間スケジュール(3月決算の企業を想定)
経理の業務は、毎月の締め作業(月次)に加えて、年に数回大きな波がやってきます。特に3月決算の会社では、年度末から年度初めにかけての時期と、年末の時期が「年次繁忙期」となります。
| 月 | 主な業務内容 | 繁忙度 | 特徴とポイント |
| 3月 | 📌年度末決算準備(実地棚卸、請求・未払の確認) | 🔥🔥繁忙期 | 年度末!決算に向けた準備で大忙し。 |
| 4月 | 📌決算整理・確定、財務諸表作成、株主総会・理事会等準備 | 🔥🔥繁忙期 | 決算作業のピーク。ミスなく数字を固める正念場。 |
| 5月 | 📌法人税・消費税などの申告・納付 | 🔥🔥繁忙期 | 4月〜5月末が申告・納税の期限となるため集中。 |
| 6月 | 📌株主総会、理事会等、有価証券報告書提出・決算報告書提出 | 🔥繁忙期 | 大事なイベントが続く。夏季賞与の準備も始まる。 |
| 7月 | 社会保険・労働保険の更新手続き(算定基礎届など)、月次業務 | 🌟閑散期/落ち着く | 年次イベントが一区切りし、ひと息つける時期。 |
| 8月 | 月次業務、夏季休暇 | ☀️閑散期 | 比較的穏やかで、長期休暇も取りやすい。 |
| 9月 | 📌中間決算準備、月次業務・補正予算 | 🌟閑散期/落ち着く | 企業によっては中間決算で少し忙しくなる。 |
| 10月 | 📌中間報告書提出中間納付 | 🌟閑散期/落ち着く | 上半期の締めくくり。 |
| 11月 | 年末調整の準備開始(書類収集など) | 🌟閑散期/落ち着く | 年末の繁忙期に備えての仕込みの時期。 |
| 12月 | 📌年末調整、賞与計算・支払い、固定資産の確認 | 🔥🔥繁忙期 | 年末のバタバタと税金処理が重なる。 |
| 1月 | 📌法定調書・償却資産税申告、源泉所得税納付・次年度予算作成 | 🔥繁忙期 | 年末調整の続きや各種税務申告で忙しい。 |
| 2月 | 月次業務、次期決算準備 | ☀️閑散期 | 決算前の準備期間。 |
| 月末月初 | 月次決算締め、入出金確認、給与計算、請求書発行 | ⚠️月次繁忙 | 毎月必ず訪れる小さな波。 |
(出所:各種経理業務の年間スケジュールに関する情報を基に作成)
繁忙期の残業を減らすための「賢い工夫」
3月〜5月、そして12月〜1月といった「年次繁忙期」や、毎月やってくる「月末月初」の残業を減らすためには、個人の努力だけでなく、「仕組み」と「協力」がカギになります!
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私は、月次業務の効率化に力を入れたことで、ミスも少なくなり、相乗効果で年次業務も楽になりました。
業務の「見える化」と「標準化」で脱・属人化!
- マニュアルの整備と共有
- 特定の担当者しかできない業務(属人化)を解消するため、手順書(マニュアル)を閑散期にしっかり作成します。誰でも同じレベルで作業できれば、急な欠員や業務集中時もフォローしやすくなります。
- タスクの優先順位を明確に
- 「重要度」と「緊急度」でタスクを分類し、「重要かつ緊急」なものにリソースを集中させます。重要ではないが緊急でもないタスクは、可能な限り閑散期に回す「業務の平準化」を目指しましょう。(引用元:Timers Inc.などを参考に)
- 各部署への事前アナウンス
- 経費精算や請求書、各種提出物などの締め切りを早めに、かつ強く通知します。早めに情報が集まるように段取りを組むだけで、経理の処理時間が大幅に短縮されます。(引用元:Timers Inc.などを参考に)
ITツールやシステムの積極活用!
- 経費精算システムの導入
- 手作業で行う領収書の確認や仕訳、計算などの手間を大幅に削減できます。自動仕訳やオンライン承認で処理をスピードアップ!(引用元:bricks-outsourcing.comなどを参考に)
- ペーパーレス化の推進
- 請求書や納品書などの書類をデータ管理に移行(電子帳簿保存法対応も視野に)。書類を探す、ファイリングする手間がなくなり、リモートワークにも対応しやすくなります。(引用元:NTTファイナンス株式会社などを参考に)
- RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入
- 会計ソフトへの転記作業や定型的なデータチェックなど、単純で繰り返しの多い作業をロボットに任せることで、ミスを減らし、残業の大幅削減が期待できます。
環境と意識改革
- ノー残業デーの設定
- 週に一度など、全員が定時退社を目指す日を設定し、業務時間内に終わらせる意識を高めます。
- 繁忙期と閑散期の業務分担
- 経理が忙しい時期に他の部署が閑散期であれば、簡単な作業のサポートをお願いするなど、全社一丸となって乗り切る体制を築くためのコミュニケーションが重要です。(引用元:Freeeなどを参考に)
閑散期(7月・8月・2月など)に取り組むべきこと
月次業務以外が落ち着く「閑散期」は、決して「暇な時期」ではありません!**繁忙期をさらにラクにするための「投資期間」**と捉え、未来への布石を打ちましょう。
業務の徹底的な見直しと改善
- 業務フローの洗い出しと再設計
- 過去の繁忙期に「時間がかかった」「ミスが多かった」「特定の人がいないと進まなかった」業務をリストアップし、業務フローを見直します。システム導入やマニュアル化で効率化できる部分を特定しましょう。(引用元:NTTファイナンス株式会社などを参考に)
- データの整理と棚卸
- 繁忙期に使うデータやファイルを整理し、必要な資料がすぐに見つかる環境を整えます。特に年末調整や決算で使うフォーマット、資料の確認・更新を行いましょう。
- 会計ソフトやシステムのメンテナンス
- 繁忙期にシステムトラブルで業務がストップしないよう、システムの動作確認やアップデート、容量チェックなどを閑散期に行っておくことが大切です。(引用元:Timers Inc.などを参考に)
スキルアップと知識のアップデート:未来の自分への投資!
経理の仕事は、法改正やテクノロジーの進化で常に変化しています。閑散期は、こうした変化に対応し、市場価値を高めるための絶好の機会です!
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必須知識の土台固め:資格取得のロードマップ
経理パーソンとしての基礎体力は、やはり資格で証明できます。
資格がなくても経理の仕事はできますが、さらなるスキルアップを目指すには、閑散期はまとまった勉強時間を確保しやすいので、資格取得のチャレンジに最適です。
| 目標 | おすすめの資格 | 習得できるスキル・知識 | 活用法 |
| 基礎力固め | 日商簿記検定2級・3級 | 会計の基本的な仕組み、仕訳、財務諸表の作成。2級では工業簿記もカバー。 | 経理業務の基本中の基本。日常業務の理解度が格段に向上。 |
| 実務・税務強化 | FASS検定 | 経理・財務の実務スキルを、資産、決算、税務、資金の4分野で客観的に測定。 | 現在の実務レベルを把握し、不足している分野をピンポイントで強化。 |
| 管理会計強化 | 日商簿記検定1級 | 高度な会計理論、管理会計、原価計算。経営判断に活かせる知識。 | 経理から経営企画や管理職へのキャリアアップを目指すなら必須。 |
| 税務のスペシャリスト | 税理士試験(科目合格) | 法人税法、消費税法など、具体的な税務処理の深い知識。 | 決算期の申告業務や節税対策など、専門性の高い業務で活躍。(引用元:ひかり税理士法人 採用サイトなどを参考に) |
業務効率を劇的に上げるITスキル
手作業でやっている業務を、ITスキルで自動化できれば、繁忙期の残業時間は一気に減らせます!
- Excel/Google SpreadSheetの高度な活用
- VLOOKUP、SUMIF、ピボットテーブルなどの関数を完璧にマスター。特に**マクロ(VBA)**を習得すれば、繰り返し行うレポート作成やデータ集計をワンクリックで完了させる「自動化ツール」を自分で作れるようになります。(引用元:MS-Japanなどを参考に)
- クラウド会計や経費システムの理解
- 自社で使っている会計ソフトや経費精算システムの、マスタ登録や自動仕訳ルールの設定、レポート機能などを徹底的に使いこなす方法を学ぶ。
法改正・業界知識のキャッチアップ
経理の業務は、法律や制度に密接に関わっています。毎年、何かしらの改正があるので、情報をアップデートすることはプロとして必須です。
- 法改正セミナーへの参加
- 電子帳簿保存法やインボイス制度など、実務に大きな影響を与える法改正については、閑散期に集中的にセミナーに参加し、対応策を検討・準備します。
- 業界専門誌の熟読
- 自社の属する業界特有の会計処理やトレンド(例:建設業の完成工事基準、IT業の収益認識基準など)を深掘りし、より的確な処理ができるように知識を蓄えます。
コミュニケーションとリフレッシュ
- 他部署との連携強化
- 繁忙期に連携がうまくいかなかった部署と改めてコミュニケーションを取り、資料提出のタイミングやフォーマットをすり合わせるなど、協力体制を再構築します。
- しっかり休む!
- 閑散期にこそ有給休暇を取得し、心身をリフレッシュすることも重要です。しっかり休んで、次の繁忙期に万全の態勢で臨めるようにしましょう。(引用元:経理屋さんなどを参考に)
結びに:メリハリをつけて、スマートな経理へ!
経理の仕事は、会社の安定運営に不可欠であり、専門性の高い重要な業務です。
年間を通して「繁忙期」と「閑散期」があることを理解し、**「繁忙期はシステムと仕組みで乗り切る」「閑散期は改善と成長に投資する」**というメリハリをつけることが、残業を減らし、よりスマートに働くための秘訣です。
閑散期を「未来の自分」への投資期間と捉え、ぜひスキルアップに励んでください!それが必ず、次の繁忙期に余裕を生み出し、あなたのキャリアを豊かにしてくれるはずです。

