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上司・部下のミス、気づいたら指摘できますか?┃「立場別」の勇気と配慮

仕事

ミスは、組織の成長において避けて通れない事象です。重要なのは、ミスそのものよりも、「それを見て見ぬふりをするか」、それとも「建設的に指摘し、未来の糧とするか」という私たちの行動の選択にかかっています。

ミスを指摘することは、一見、人間関係に波風を立てる行為に見えます。しかし、それは組織の損失を防ぎ、当事者の成長を促し、そして何より**「あなた自身の信用」**を高めるための重要なアクションなのです。

私自身、特に上司への指摘の際は大変気を使います。上司の性格を十分につかむこと、そしてタイミングや言い方、話をする場所などはとても大切です。

この記事では、上司や部下のミスを角を立てずに指摘するための具体的な方法、そして指摘した側が不当な評価を受けないための自己防衛策まで、実践的なノウハウをご紹介します。


なぜミスを指摘すべきなのか?その3つの理由

「面倒なことは避けたい」「波風を立てたくない」という思いからミスを放置すると、以下のような深刻な結果を招きます。

理由1:組織と顧客の信頼損失を防ぐ

小さなミスでも、放置すればやがて大きな事故や損害へと発展します。特に顧客に関わるミスは、一度失った信用を取り戻すのに膨大な時間とコストがかかります。指摘は、将来発生する損失を未然に防ぐための最善の「リスクヘッジ」です。

理由2:当事者の成長と学習機会の提供

ミスは、その人の能力が不足しているサインではなく、「何かが間違った」というフィードバックです。建設的な指摘と指導があれば、当事者はそのミスから学び、同じ失敗を繰り返さないための具体的な対策を講じることができます。指摘は、一種の**「成長への投資」**なのです。

理由3:再発防止の「仕組み」づくり

ミスが指摘されなければ、「たまたま成功した」という誤った認識が組織に広がり、恒久的な解決策は見いだせません。ミスを共有し、原因を追求することで、チェックリストの導入やマニュアルの改訂など、組織全体のミスが起きにくい仕組みを構築する基盤となります。

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指摘する際の「黄金のルール」:感情的にならないために

ミスを指摘する際に最も重要なのは、「人格」ではなく「事象」にフォーカスすることです。以下の3つのルールを必ず守りましょう。

ルール1:事実(F)と感情(E)を分離する

指摘の目的は相手を責めることではなく、ミスを是正し、再発を防ぐことです。

  • 事実だけを伝える: 「A社の提出書類に誤字が3箇所ありました」
  • 感情は持ち込まない: 「本当にだらしがない」「なんでこんな簡単なこともできないんだ」といった主観的な感情は絶対に口にしない。

ルール2:場所とタイミングへの最大限の配慮

人前での指摘は、相手のプライドを深く傷つけ、反発心や萎縮を引き起こす最も危険な行為です。

  • 必ず個別で、二人きりの場所を選ぶ。
  • 相手が焦っている、あるいは多忙な直後など、**精神的に不安定なタイミングは避ける。**落ち着いて話せる時間と場所を設定する。

ルール3:解決策とネクストアクションで終わる

指摘はゴールではなく、スタートです。「では、どうすればよかったか?」を一緒に考え、具体的な行動を決定することで、ミスを前向きな学びの機会に変えられます。


立場別】効果的なミス指摘法と具体的な言い回し

上司と部下、どちらのミスを指摘するかによって、アプローチの姿勢を大きく変える必要があります。

部下のミス:育成を兼ねた「コーチング」的指導法

部下への指摘は、人材育成の一環です。萎縮させず、自ら考えさせる姿勢が大切です。

態度のポイント具体的な言い回し(例文)NGな言い方
まず「感謝」と「安心」「すぐに気づいてくれてありがとう。このミスは誰にでもあるから、まずは落ち着いて。」「またか」「前も言ったよね」
原因の「自問」を促す「今回、なぜこのミスが起きたと思う?君の行動プロセスを一緒に振り返ってみよう。」「どうしてこんな簡単なこともできないんだ?」
「仕組み」に目を向ける「このマニュアルの記載が分かりにくかったかもしれない。改善できるところはないかな?」「君の能力が足りていないからだ」
具体的な行動を決定「では、来週の同じ業務では、チェックリストのこの項目を最初に追加してみよう。」「次は絶対ミスするなよ」

📝 育成の秘訣: 部下に「どうすれば解決できるか」を8割考えさせ、上司は残り2割の方向修正をするだけで、部下の自立心が育ちます。


上司のミス:成功に導く「間接的」指摘法

上司のミスを指摘する際は、敬意を払い、指摘ではなく「確認」「相談」の形をとることが鉄則です。あくまでも「自分の勘違いかもしれない」という姿勢で切り出しましょう。

ミスの種類適切な指摘の「切り出し方」(例文)避けるべき態度
データ・計算ミス「この計算結果について、認識が合っているか確認させてください。こちらの資料のXの値を使うと、結果がYになるのですが…」**「これは明らかに間違っています」**と断定する言い方。
スケジュール・指示ミス「ご指示の件、承知いたしました。一点、私の認識が古ければと思い、念のため確認させていただきました。締切日が変更になったのでしょうか?」「なぜ、こんなに遅れているのですか?」と追及する言い方。
戦略・判断ミス「プロジェクトの件、承知いたしました。私の理解不足かもしれませんが、過去の事例を踏まえると、Qという懸念があります。この点、何かご検討中でしょうか?」「そのやり方では失敗します」と、上司の判断を全面的に否定する。

🔑 必須テクニック:「私」メッセージ

「あなたが間違っている」ではなく、「私が不安に感じたので確認したい」「この情報だと私はこう解釈する」という「私(I)メッセージ」を使うことで、相手の防衛反応を和らげ、聞く耳を持たせることができます。


指摘が「自分に降りかからない」ための自己防衛策

建設的な指摘をしたにもかかわらず、「生意気だ」「和を乱す」と評価され、人間関係で損をしないための具体的な自己防衛策を講じておきましょう。

対策1:客観的な記録で「言った・言わない」を防ぐ

感情論で巻き込まれないよう、事実ベースの証拠を残します。

  • メールでフォローアップ: 口頭で指摘・合意した直後、「先ほどの件、認識の齟齬を防ぐため、以下にまとめました」とメールで記録に残す(CC/BCCは不要)。
  • 文書の保存: 指摘内容の根拠となるデータ、資料、マニュアルの該当箇所を保存しておく。

対策2:守秘義務の徹底と情報共有の限定

指摘内容を、無関係の第三者や同僚に漏らすのは厳禁です。

  • ゴシップにしない: 指摘はあくまでも当事者間の建設的なコミュニケーションであり、噂や告げ口と捉えられる行為は、あなたの信用を失墜させます。
  • 自分の業務で成果を出す: 指摘者が不当な評価を受けない最大の防御は、自分の通常業務で高い成果を出し続けることです。「口は出すが、仕事はできない」という印象を持たれないように注意しましょう。

対策3:メンタルヘルス対策(心理的バッファ)

指摘はストレスを伴います。反発や冷遇があった際の心の健康を守る準備が必要です。

  • 目的を再確認する: 「この指摘は、会社とチームの未来のためだ」と常に目的を再確認し、個人的な感情の衝突と切り離す。
  • 信頼できる相談相手を持つ: 職場外や人事、産業医など、客観的に話を聞いてくれる第三者に相談できる窓口を持っておく。

大切なのは「ミスを是正したその後」

ミスを指摘し、是正することは第一歩です。ここから、より強固な関係性と、ミスが起きにくい組織へと進化させるための行動が必要です。

関係性の修復と強化

指摘が終わったら、必ず感謝の意を伝えて終えましょう。

  • 上司へ: 「お忙しい中、私の確認に時間を割いてくださり、ありがとうございました。」
  • 部下へ: 「確認と改善策の提案、ありがとう。次は期待しているよ。」

この一言が、一時的に傷ついた信頼関係を修復し、次回以降も風通しの良いコミュニケーションができる土壌を作ります。

再発防止の「仕組み化」

ミスを個人のせいにするのではなく、「仕組み」でミスを防ぐことが組織の進化です。

私はここが一番重要だと考えています。

  • ミスの原因となった部分を特定し、チェックリストやマニュアルを具体的に改訂する。
  • ダブルチェックの担当者やプロセスを明確化し、ヒューマンエラーが起きにくい構造へと改善する。

結び:指摘は未来への投資である

ミスを指摘することは「面倒」ではなく、**未来の組織と当事者への「投資」**です。

指摘には「勇気」が必要ですが、そこに「配慮」と「具体的な方法論」が伴えば、あなたの指摘は単なる非難ではなく、チームを成功に導くための建設的なフィードバックへと変わります。

ぜひ、この記事で紹介した具体的な方法を活用し、風通しが良く、お互いに成長し合える職場環境を構築してください。

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