目次
「せっかく処方してもらった薬を、全然飲んでくれない…」「毎回泣き叫ぶから、こっちが泣きたい!」
そんなふうに思ったことはありませんか?
子育て中なら誰もが通る“薬イヤイヤ問題”。私は小児科で21年勤務し、自分自身も2児の母としてそのつらさと格闘してきました。
この記事では、私の現場経験と家庭での工夫をもとに、
- なぜ子どもは薬を嫌がるのか
- 飲ませるコツやおすすめの混ぜ物
- 絶対にやってはいけないNG行為
- ママ・パパが自分を責めないための考え方
について、実践的にお伝えします。
子どもが薬を飲まない理由とは?
まず大前提として「子どもは薬が嫌いなもの」です。理由はいくつかあります。
- 味が苦い(特に抗生剤)
- 粉が口に残る
- 見た目が怖い(シロップの色など)
- 飲んだ後の記憶がイヤだった
特に抗生剤は、どう工夫しても「おいしい」とは感じにくいもの。大人でも苦手な味を、子どもが素直に受け入れるのは難しいのです。
私は、以前の職場時代、窓口でたくさんの相談をうけました。まずは、「味を確かめてみよう!」という事になり、主な抗生剤をなめてみました。その後、子どもが好きそうなものに薬に混ぜて、味見をして確かめました。

薬と混ぜてもよい食べ物・NGな食べ物
薬を飲ませるとき、「何かに混ぜる」はとても有効な方法です。ただし、すべての食品がOKというわけではありません。
薬と混ぜてOKなもの | 理由・ポイント |
---|---|
バニラアイス | 甘みが強く、冷たさで苦味が和らぐ |
チョコアイス | 抗生剤の苦味と相性がよい(※これは一番のおすすめです) |
練乳 | 少量でしっかり甘く、ごまかしやすい |
りんごペースト | 味がまろやかで、抵抗感が少ない |
ヨーグルト(無糖より加糖) | 酸味の少ない甘いタイプが◎ |
NGな混ぜ物
NGな食品 | 理由 |
---|---|
牛乳 | 一部の薬と化学反応して効き目が落ちることがある |
オレンジジュースなど柑橘系 | 酸味で薬の味が余計に際立つ |
炭酸飲料 | 苦味と混ざってさらに飲みにくくなる/炭酸で泡立ちやすい |
お茶(特に緑茶) | 薬によっては成分が変質する恐れあり |
※薬によっては「絶対に混ぜてはいけないもの」があるため、できれば薬局で薬剤師さんに確認してください。
私がやって効果的だった“飲ませ方の工夫”3選
① 薬を「一気に飲ませない」
無理に全部飲ませようとすると、子どもは拒絶します。
うちは「3口に分けて作戦」で成功率がUPしました。
- 小さじスプーン1杯分の甘いアイスに薬を少量混ぜて飲ませる
- 飲んだら、すぐ追いアイス(ごほうび)
- それを2〜3回繰り返す
「全部薬じゃない」とわかると、子どもも安心しやすいです。
② 飲む前に「味見ごっこ」
我が家では「ママが先に飲むフリ」が意外と効きました。
「どんな味かな〜?ママも気になる!」と楽しそうに見せると、子どもが安心しやすくなります。
もちろん本当に飲まなくてもOK。「これはちょっと苦いから、アイスにしよう!」という流れに持っていけます。
③ 「今日は何味で飲む?」と選ばせる
選択肢を与えると、子どもは主体的になりやすくなります。
例:
- 「りんごヨーグルト味がいい?それともチョコアイス味?」
- 「どのスプーンで飲む?」
「薬を飲む」こと自体は変わらないけれど、子ども自身が選んだと思うと頑張れるんです。
【NG対応】これだけは避けたい…
経験上、以下の対応は子どもの“薬嫌い”を悪化させやすいです。
- 「飲まないと病院で注射だよ!」と脅す
- 無理やり押さえつけて飲ませる(トラウマになりやすい)
- 怒りながら飲ませる(親子ともにつらい)
気持ちはとてもよくわかります。私も、子どもに「どうしてこんなに飲まないの!」とイライラしたこと、何度もあります…。
でも、怒っても解決しません。子どもにとって「薬=怖い・つらい」が刷り込まれてしまうと、次の通院が地獄になります。
自分を責めないで。うまくいかない日があっても大丈夫
ここまでいろいろ書いてきましたが、すべてが毎回うまくいくとは限りません。
子どもにも気分がありますし、親だって余裕がない日もありますよね。
そんなときは、もう一度「薬の目的」を思い出してください。
薬は治すための手段。でも、それ以上に大事なのは「子どもの安心と信頼」です。
焦って無理に飲ませるより、時間をおいたり、医師や薬剤師に相談したりしてOKです。
おわりに:頑張るママ・パパへ
私は21年間、小児科でたくさんの親子と接してきました。
薬を飲ませるのに苦労している親御さんは、本当にたくさんいます。
でも、それだけ「子どもを守りたい」という気持ちがある証拠です。
完璧じゃなくても大丈夫。今日うまくいかなかったら、また明日やればいい。
誰かの参考になれば…そんな思いでこの記事を書きました。
あなたの工夫も、きっと他の誰かの助けになりますから、是非教えて下さいね。
※本記事は筆者の個人的な経験に基づいた内容です。薬の服用に関しては、必ずかかりつけの医師・薬剤師の指示を優先してください。
