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学校、習い事、公園、オンラインゲームなど、子どもたちの世界では、ちょっとしたトラブルは避けられないもの。
親として気になるのは、「うちの子、何かしてない?」「トラブルに巻き込まれていない?」という不安。
そして、実際に 自分の子がトラブルを“起こした”とき、あるいは“された”とき、どう動くべきか迷う人も多いでしょう。
本記事では、子ども同士のトラブルにどう関わればよいか、私が経験したことをもとに、「起こした側」「された側」それぞれの立場から、注意点や謝罪の方法、自分の子へのフォローを丁寧に解説します。
【1】まず落ち着いて状況を整理しよう
感情的に「うちの子がそんなことするわけない!」と否定したり、「なんてひどい子!」と決めつけたりするのはNG。
最初に必要なのは、事実の把握と冷静な分析です。
チェック項目 | 内容 |
---|---|
いつ・どこで | 時間帯、場所、関係者 |
誰が関わった? | 何人?相手の年齢や関係性は? |
何が起きた? | 言葉・行動・物の被害 |
どこからの情報? | 子ども、先生、他の保護者 |
※子どもは自分の立場を守ろうと、事実を誇張・省略することもあります。複数の視点から確認を。
【2】親が介入すべきかどうかの判断
トラブルの内容によって、親の出る幕があるかどうかは変わります。
トラブルの種類 | 親の関与レベル |
---|---|
些細な口げんか | 基本は見守り |
手が出た/物を壊した | 誠意ある謝罪と連絡 |
長期間の仲間外れ・いじめ | 速やかに学校や相手と連携 |
SNS・LINEでの悪口 | 証拠を確認し、対応が必要 |

【3】子どもが“起こしてしまった”場合の親の対応
◆親がすべきこと
- 事実確認と本人への指導
→「どうしてそうしたのか?」を聞くことで背景を探る - 相手保護者への謝罪と説明
→電話・対面・手紙で真摯に対応 - 再発防止の約束と子どもへのフォロー
→「失敗から学ぶことが大切」と伝える
◆謝罪の電話例
「〇〇の母です。今日の件でご迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳ありません。まずはお電話でお詫びさせていただきたくご連絡いたしました。」
※無理に言い訳をせず、丁寧に。相手の言い分を否定せずに聞く。
◆謝罪の手紙例(親から)
拝啓
○○様
このたびは、息子○○が○○くんに対し、乱暴な行動をしてしまい、大変ご迷惑をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。
日頃より注意していたつもりではございますが、今回の件を通じて、改めて子どもへの接し方や指導のあり方を見直してまいります。
○○くんに痛い思いや悲しい思いをさせてしまい、本当に申し訳ありませんでした。
ご家族の皆様にも、不快な思いをさせてしまったこと、重ねてお詫び申し上げます。
今後はこのようなことがないよう、本人にもきちんと反省を促し、成長の機会といたします。
ご多忙の中、どうぞご自愛くださいませ。
敬具
○○(親の名前)
◆手土産の目安
- 菓子折り(2000〜3000円程度)
- 子どもが描いたお詫びの絵など(低年齢の場合)
【4】子どもが“された側”だった場合の親の対応
つらい経験をしたわが子。親としては怒りや悲しみでいっぱいになりますが、まずは子ども自身の心に寄り添いましょう。
親が自分の一番の味方であることは、子どもにとって何より力になるものです。
◆親がすべきこと
- 子どもが安心して話せる環境をつくる
→「話してくれてありがとう」「つらかったね」と受け止める - 必要であれば担任や相手の保護者と連携
→子どもが安心できるよう学校には必ず連絡をおすすめ - 仕返しや過度な干渉は避ける
→「怒り」よりも「前を向く力」を育てる
◆相手の保護者と連絡を取る際の注意
- すぐに感情的な連絡をしない
- 「事実を知りたい」という姿勢で
- 直接会うのではなく、まずは電話が安心
- 家族などに相談し、意見を聞いてから行動する
◆言葉がけの例
- 「今回はつらかったね。でも、よく我慢して話してくれたね」
- 「もし今後また困ったら、いつでも話していいんだよ」
- 「悪いことをされたとき、どうするのが正しいか一緒に考えよう」
- 「ママはいつでも○○の味方だから安心してね」
【5】子どもの心のケアも忘れずに
トラブルは、どちらの立場でも子どもの心にダメージを残すことがあります。
◆起こした子へのフォロー
- 「謝るのは勇気がいること。ちゃんとできてえらかったね」
- 「次はどうしたらよかったか、一緒に考えよう」
◆された子へのフォロー
- 「あなたは悪くないよ」
- 「自分の気持ちを伝えるのも大切だね」
- 「大人も一緒に考えるから安心して」
✅まとめ:子どものトラブルは成長の機会と捉えて。親は“ちょうどよい距離”で支えよう
最後に、トラブル時の親の心得を振り返ります。
立場 | 親の心がまえ |
---|---|
起こした側 | 事実確認 → 謝罪 → 再発防止・フォロー |
された側 | 子どもの安心確保 → 冷静な連携 → 心のケア |
子ども同士のトラブルに完璧な正解はありません。
でも、大切なのは「子どもの成長につながる関わり方」。
叱ることも、見守ることも、行動することも、「子どもを思う気持ち」からです。
親としてできるのは、感情ではなく冷静な行動で支えること。
その積み重ねが、きっと子どもたちの人間関係力につながっていくはずです。
