目次
はじめに
「子育ても大切にしたい。でも、仕事も中途半端にはしたくない。」
多くのワーキングマザー(ワーママ)が抱えるこの葛藤は、キャリアの壁として目の前に立ちはだかります。
中でも近年注目されているのが、マミートラック(Mommy Track) という現象。
表向きは「子育てに配慮した働き方」でも、実態は「責任ある仕事や昇進から外される」ことが多く、キャリア停滞の大きな原因になっています。
この記事では、ワーママが直面するキャリアの壁とマミートラックについて解説し、私自身の体験談も交えて、乗り越えるためのヒントをまとめます。
ワーママが直面するキャリアの壁とは?
ワーキングマザーがぶつかりやすい壁を整理すると、次のようになります。
壁の種類 | 具体的な悩みの例 | 影響 |
---|---|---|
時間の壁 | 「残業できない」「出張に行けない」 | 昇進・昇格から外れる |
評価の壁 | 「育休明けは戦力外と見なされる」 | 正当な評価が得にくい |
周囲の理解不足 | 「子どもを理由に休むのは甘え?」 | 職場で肩身が狭い |
自己犠牲の壁 | 「キャリアより家庭を優先するしかない」 | 将来設計が曖昧になる |
マミートラック | 「責任の少ない仕事に回される」 | キャリア停滞・成長の機会を失う |
時間の壁:物理的に働ける時間が限られる
よくある状況
- 子どもの送迎で定時退社が必須
- 突発的な体調不良で欠勤や早退が増える
- そもそもフルタイムが難しい
🎯 体験談
一人目を出産して復職直後、会議が夕方5時から設定されていました。
保育園の迎えは17時半必須。いつも途中退席しなければならず、「○○さんは抜けるから」と言われたことがあります。
勇気を出して上司に相談し、会議開始を16時に変更してもらいました。結果、同じように困っていた他の社員からも感謝されました。
👉 “言い出す勇気”がキャリアを守る第一歩。
評価の壁:昇進ルートから外れやすい
ワーママは「責任あるポジションは無理」と思われがちです。
🎯 体験談
復帰後すぐ、上司に「しばらくは雑務中心でいいよ」と言われたときはショックでした。
「キャリアを諦めろ」と言われた気がして、悔しかったのです。
そこで「この仕事には自信があります。私に任せてください」と逆提案。結果、部分的に担当でき、評価にもつながりました。
👉 任されるのを待つより、自分から役割を取りに行く姿勢が大切。
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偏見の壁:マミートラックとは?
定義
マミートラックとは、子育て中の女性社員が「配慮」という名目で、責任の少ない補助的な仕事やルーチンワークに回され、結果的にキャリア形成から取り残される状況を指します。
典型的な例
- 「時短だからこの仕事で十分」と雑務ばかり任される
- 昇進・昇格の候補から外される
- 本人の希望を聞かずに“軽い仕事”を割り当てられる
現実と影響
現象 | 本人の気持ち | 長期的な影響 |
---|---|---|
補助的な業務が中心になる | 「やりがいがない」 | スキルアップの機会を失う |
昇進から外れる | 「自分だけ取り残されている」 | キャリアが停滞する |
周囲の期待が低い | 「頑張っても評価されない」 | モチベーション低下・離職 |
🎯 体験談
私も復職後、同じ部署に配属されたものの「しばらくは資料整理や電話対応でいいからね」と言われたことがあります。
当時は「配慮」と受け取りましたが、次第に「これでは成長できない」と感じるようになりました。
そこで、隙間時間に資格の勉強を始め、上司に「このスキルを活かせる仕事を任せてほしい」と伝えました。
結果、少しずつ業務の幅が広がり、評価にもつながりました。
👉 マミートラックから抜け出すには“受け身”ではなく“意思表示”が必要だと痛感しました。
周囲の理解不足による壁:無意識の偏見が残る
子どもを理由に休むと、まだ「甘え」と思われることがあります。
🎯 体験談
子どもの発熱で休んだときに「いいね、家でのんびりできて」と言われ、涙が出そうになったことがあります。
その後は、休んだ翌日に「代わっていただいた分、こちらを引き受けます」と具体的に感謝を示すようにしました。
少しずつ周囲の目も変わり、「困ったときはお互いさま」という空気が生まれました。
自己犠牲の壁:子どものために自分のキャリアを後回しに
「子どもが小さいうちは仕方ない」と思ってキャリアを止めてしまうのも大きな壁です。
🎯 体験談
私自身、出産後は「キャリアは一旦中断」と思っていました。
でも数年後に再スタートしようとしたとき、ブランクの大きさを痛感しました。
その経験から学んだのは、完全に止めるのではなく“細くても続ける”ことが大切だということです。
👉 時短勤務でも資格勉強や副業を続けていたことで、今の働き方につながりました。
ワーママがキャリアを継続するための工夫
キャリア継続の「3本柱」
┌──────────────┐
│ 1. 時間管理 │ → タスク効率化・残業回避
├──────────────┤
│ 2. 周囲との関係性 │ → 上司との共有・感謝を返す
├──────────────┤
│ 3. 自分の軸 │ → マミートラックを避ける意思表示
└──────────────┘
まとめ:キャリアの壁に立ち向かうためには
ワーママのキャリアの壁は、
- 時間の制約
- 評価の不公平さ
- マミートラック
- 周囲の理解不足
- 自己犠牲の思考、、、、に集約されます。
しかし、**「できる範囲で細く長く続ける」**ことを意識すれば、キャリアを完全に諦める必要はありません。
特にマミートラックを避けるには、受け身にならず「私はこう働きたい」と意思を示すことが重要です。
私自身も、子どもの発熱で悔しい思いをし、マミートラックに乗せられかけた経験があります。
それでも「小さな工夫と自己主張」で、少しずつキャリアをつなぐことができました。
あなたのキャリアは、今はゆっくりでも確実に未来へ続いています。
焦らず、自分らしいペースで進んでくださいね。
最後に:これだけは覚えていて下さい!
自分を認めてもらいたい一心で何でも受け入れて、結果疲れ果てるような働き方はおすすめできません。
確かに、一時的には評価されるかもしれません。ですが、会社も上司も、必ずしもあなたの気持ちや努力を汲み取ってくれるわけではないのです。
私自身、身を粉にして働いた末に、最後はあっけないほどの手のひら返しを受け、続けられなくなった経験があります。残念ながら、そんな出来事は珍しいことではありません。
だからこそ、どうかその貴重な時間とエネルギーを「会社のため」ではなく「自分の未来のため」に使ってほしいのです。人より頑張らなければと、必死で働き、疲れ果てるよりも、自分の学びや成長に投資することが、結果的にあなた自身を守り、キャリアを豊かにしてくれます。