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「仕事も家事も育児も、私がやらなきゃ……」と限界を感じているワーママの皆さん。
前回の記事では、完璧を捨てて夫を当事者に変える「戦略的ポンコツママ」のススメをお伝えしました。【ワーママ限界】仕事も家事も「完璧」を捨てよう!┃夫を当事者に変える『戦略的ポンコツママ』のススメ | ワーキングママ・ステーション
今回はその実践編として、**「子どもを最強のパートナーに育てる方法」**を深掘りします。
「自分でやったほうが早い」という目先の効率を捨て、子どもに「役割」を渡すことは、数年後のあなたを救い、子どもの人生を豊かにする最高の投資です。
はじめは毎日でなくてかまいません。「※家事育」を、まずは余裕のあるお休みの日からはじめてみませんか。
今回は、3歳から始められる、具体的な家事リストと関わり方のコツをお届けします。
※「家事育」という言葉は、家事を通じて子どもの自立心と自己肯定感を育むことです。いわゆる『家事教育』ですが、当サイトではあえて『家事育』と呼びたいと思います。
「お手伝い」ではなく「家事育」で「非認知能力」を育む
子どもに家事をさせることを「手伝わせるのはかわいそう」「親が楽をしているみたい」と感じる必要はありません。
家事は、子どもが社会に出る前に必要な**「非認知能力」を鍛える最強のトレーニング**だからです。
「家事育」から育つ、「非認知能力」ってなに?
非認知能力とは、知能テストや学力テストなどの点数・IQでは測れない力のことを指します。学問的には「認知能力(cognitive skills)」と区別され、心の持ち方・態度・行動の特徴・他者との関わり方などに関する能力を総称して呼ばれています。
非認知能力は、単に「性格」や「気質」といった生まれつきの特徴だけではなく、教育や生活体験を通じて育てられる力とも考えられています。たとえば、学校の協働学習や家庭での関わりを通じて伸ばせる力です。
📍【引用元:参考サイト】
朝日新聞社による非認知能力の解説 → 非認知能力とは?重要視されている背景と育む方法、注意点を詳しく解説 | 朝日新聞社 先生コネクト
- 非認知能力検定協会による概要説明 → 非認知能力とは | 非認知能力検定 | 非認知能力検定協会
「認知能力」との違い
- 認知能力:知識、計算力、記憶力、IQなどテストで測れる力。
- 非認知能力:やる気、忍耐力、協調性、自制心、自己肯定感など、点数化が難しいもの。
「非認知能力」の具体的な例
非認知能力にはさまざまな要素があります。代表的なものを以下に挙げてみます。
👉 自己に関する力
- 意欲・やる気
- 忍耐力・粘り強さ
- 自制心・自己管理能力
- 自己肯定感・自信
- 主体性(自分で判断し行動する力)
- 探究心・好奇心
- 創造性・問題解決力
👉 他者や社会との関わりに関する力
- 協調性・協働力
- コミュニケーション力
- 共感性・思いやり
- リーダーシップ
- 道徳観・倫理観・規範意識

10年後に差がつく!「家事をする子」と「家事をしない子」
家事に関わる習慣があるかないかで、将来の「マインドセット」に大きな違いが生まれます。
- お手伝いをしてきた子:【パートナー・マインド】 「名もなき家事」に気づく力が育ちます。「誰かがやってくれる」ではなく「自分たちで心地よい空間を作る」という主体性が芽生えます。
- お手伝いをしてこなかった子:【お客様・マインド】 家事は「サービス」として享受するものだと思い込みます。自分の周囲の環境に対して無頓着になり、将来のパートナーに対しても「不満は言うが動かない」という姿勢になりがちです。
| 項目 | お手伝いをしてきた子 | お手伝いをしてこなかった子 |
| 観察力 | 「ゴミが落ちている」「醤油がない」など、周囲の状況に気づきやすい。 | 誰かがやってくれるのが当たり前なので、周囲の変化に無頓着になりやすい。 |
| 感謝の心 | 家事の大変さを知っているため、食事や綺麗な服に感謝できる。 | サービスを受けるのが当然(消費者マインド)になり、不満が出やすい。 |
| 自立心 | 「自分のことは自分でできる」という自信があり、新しいことに挑戦しやすい。 | 失敗を恐れたり、指示待ちの姿勢(受動的)になりやすい。 |
【年齢別】挑戦したい家事内容と、失敗しないための注意点
子どもの「やりたい!」を「戦力」に変えるための、ステップアップリストです。
🌱3歳:【種まき期】まずは「触れる・真似する」から
3歳は「好奇心の塊」。この時期に家事を「遊び」の一部として認識させることが、将来のハードルを下げます。
- キッチン:
- レタスを小さくちぎる(サラダ担当)
- キノコをバラバラにほぐす
- ミニトマトのヘタを取って洗う
- 混ぜる(ホットケーキミックスなど)
- お掃除・洗濯:
- 脱いだ服を洗濯カゴへシュート!
- 自分の靴を揃える
- 乾いたタオルを「半分こ」に折る(クシャクシャでもOK)
- ★注意点: 「結果より、参加したこと」を100倍褒める! 「ぐちゃぐちゃになってもいい」という覚悟が必要です。ママは「助かった〜!〇〇ちゃんが洗ったトマト、ピカピカで美味しそう!」と、存在そのものを肯定する声をかけましょう。
🍲4〜5歳:【育成期】手順とルールをマスターする
手先が器用になり、少し複雑な「工程」が理解できるようになります。
- キッチン:
- ピーラーで皮をむく(人参やジャガイモ)
- 型抜き、包む(餃子やクッキー)
- テーブルを拭いて、カトラリーを並べる
- お掃除・洗濯:
- 洗濯物を種類別(靴下、タオル、服)に分ける
- ハンディモップで低い場所のホコリ取り
- 植物への水やり
- ★注意点: 「やり直し」は子どもの前でしない!せっかく拭いたテーブルが汚れていても、その場では「ありがとう」で完結。どうしてもやり直したい時は、子どもが見ていない時にこっそりやりましょう。
🌸6歳(小学校低学年)以上:【戦力期】「担当」という責任を持つ
「言われたことをやる」から、「自分の仕事」として任せる段階へ移行します。
- キッチン:
- 炊飯器にお米をセットしてスイッチオン
- 包丁で柔らかいものを切る(キュウリや豆腐)
- 食べた後の食器を下げて、スポンジで洗う
- お掃除・洗濯:
- お風呂掃除(洗剤をかけて、しっかり流す)
- ゴミを集めて、玄関に出す
- 自分の洗濯物を畳んで、引き出しにしまう
- ★注意点: 「理由」をセットで教える。 「なぜお風呂を洗うのか?→家族みんなが気持ちよく入れるから」といった目的を伝えると、責任感が育ちます。
ママの「言葉と態度」が成功の鍵!やる気を育むコミュニケーション
子どもが家事を「義務」ではなく「誇らしい役割」と感じられるかどうかは、ママの反応次第です。ついやってしまいがちなNG例と、子どもの自立を促すOK例をまとめました。
| 項目 | ついやってしまいがちなNG(やる気減退) | 「戦略的ポンコツ」流OK(やる気爆増) | その効果とポイント |
| 評価の基準 | 「上手にできたね」 (結果や完成度を評価する) | 「助かった!ありがとう!」 (親への貢献度・感謝を伝える) | 「上手か下手か」という評価軸から、「誰かの役に立った」という喜び軸にシフトします。 |
| 失敗への反応 | 「あーあ、こぼしちゃった」 (ミスを指摘する) | 「大丈夫!どうすれば綺麗になるかな?」 (解決策を一緒に考える) | 失敗を責めないことで、新しいことに挑戦する恐怖心を取り除きます。 |
| 作業の指示 | 「早くやって」「ちゃんとやって」 (命令・コントロール) | 「ママこれ苦手なんだ、手伝って?」 (お願い・頼る) | 命令されると「作業」になりますが、頼られると「使命」に変わります。 |
| 仕上がりの修正 | 子どもの目の前でやり直す (無言の否定) | 一旦感謝して、見えない所で直す (達成感を守り抜く) | 目の前で直されると「自分はダメだ」と感じます。完璧主義を捨てるのがコツです。 |
| 教え方 | 「口出し」をずっとしている (指示待ち人間を作る) | 「見守る・信じて待つ」 (試行錯誤の時間を奪わない) | 自分で考えて工夫する余白を作ることで、段取り力が育ちます。 |
| 比較 | 「〇〇ちゃんはできるのに」 (他の子との比較) | 「昨日より早くなったね!」 (過去の本人と比較) | 「自分比」で成長を実感させることで、持続的なやる気に繋がります。 |
ママが意識したい「3つの心得」
「スピード」より「経験値」 ママがやれば30秒。子どもがやれば5分。その「差の4分30秒」は、子どもの将来への教育費だと割り切りましょう。
「ありがとう」は具体的に 「ありがとう」の後に、「テーブルがピカピカで、お食事が美味しそうに見えるね」と具体的なメリットを付け加えると、子どもの観察力が鋭くなります。
「できないママ」を演じきる 「ママ、これの畳み方忘れちゃったな〜」「これ重くて運べないよ〜」と、ちょっと大げさに弱音を吐くことで、子どもの「助けてあげなきゃ!」というヒーロー・ヒロイン願望を刺激しましょう。
📍具体的には、こんな言葉で子どもたちにやる気を植え付けることが大切です。
- 「あ〜!洗濯物が山みたいで、ママ一人じゃ遭難しそう……助けて〜!」 →子どもを「ヒーロー」として召喚します。
- 「このタオル、どうやって折ったら引き出しに綺麗に入るかな?教えて?」 →子どもを「先生」にして、考えさせるきっかけを作ります。
- 「〇〇ちゃんが洗ってくれたコップで飲むお水は、世界一美味しいね」 →自分の行動が「誰かの幸せ」に直結していることを実感させます。

「家事パートナー」宣言シート!(記入例あり)
この「家事パートナー」宣言シートは、子どもを「お手伝いさん」ではなく、対等な「パートナー」として迎えるための「契約書」のようなものです。ぜひお子さんと一緒に項目を決めてみてください。
💡掲示する時:「ママ、最近お掃除忘れちゃうことが多くて……〇〇隊長、この『しごと』をお願いしてもいいかな?」と、任命式をしてください。
シートを冷蔵庫に貼って、**「〇〇隊長、本日の任務をお願いします!」**と敬礼しながら渡すと、3歳〜の子どもは一気にやる気スイッチが入ります。
💡家事後のシールを貼る時:「〇〇隊長がこれをやってくれたから、ママ、今日はお本を読む時間ができました!ありがとう」と、「あなたの家事のおかげで、家族にハッピーな時間が生まれた」ことを具体的に伝えてください。
| 項目 | 記入内容 |
| なまえ(パートナー名) | 〇〇 (隊長) |
| わたしの「しごと」 | ごはんのあとの、テーブルふき「ぴかぴか係」 |
| いつ やるの? | よるごはんが終わったあと |
| ママ・パパの「お約束」 | 「じゅんびできた?」って聞かないで見守るよ! |
| ごほうび(シール10個たまったら) | こんどの日曜日に、公園で一緒にサッカーをしよう! |
| ママ・パパからの「だいすき」メッセージ | ぴかぴかでかんぺきでした!ありがとう! |
結びに:家事は「愛」と「自立」のギフト
最初は、自分でやったほうが10倍早く終わるかもしれません。
でも、今ここで手をかけて「家事の仕組み」に子どもを組み込むことは、将来、あなたが仕事で疲れて帰ってきたときに「お米炊いといたよ!」「洗濯物取り込んどいたよ!」と言ってくれるパートナーを育てることでもあります。
ママが一人で背負わなくていい。 子どもは、あなたが思うよりもずっと「誰かの力になりたい」と願っています。
大切な子どもの成長のためにも、見守ってあげて下さい。
さあ、今日から、新しい家族の形を始めてみませんか?
